パソコン自作NAVI

はじめに

まず、クアッドコアCPUとは、コアを4つ搭載しているCPUであることを意味します。 現在(2007年10月上旬)主流のCore 2 Duoはデュアルコアで、コアを2つ搭載しています。 基本的に、コアの数が多いほうがより「高級」であるといえます。

クアッドコアCPU「Core 2 Quad Q6600」の価格が35,000円前後まで値下がりし、 より低消費電力なG0ステッピングが登場したのをきっかけに、 今までAthlon 64 X2 3800+ (Socket939)を搭載していたパソコンから、 CPU、メモリモジュール、マザーボードを交換してアップグレードを行いました。

クアッドコアはデュアルコアよりも組立が難しいのか、というとそんなことはありません。 実際のところ、パソコンの組立手順は全く同じで、デュアルコアのCore 2 DuoをクアッドコアのCore 2 Quadに置き換えて考えればよいだけです。Core 2 Duoによるパソコン自作がどのようなものかについては、数多くの書籍・雑誌記事・ウェブページ等に解説がありますが、たとえば以下のページが参考になります。写真入りで、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

帰って来た!初めての自作PC作成講座 Core2Duoマシンを組んでみた(TSUKUMOネットショップの特集記事)

※ なお、上記の特集記事に関する注意点として、ケース前面の電源スイッチ等のコネクタをマザーボードに接続するときに使う「Q-Connector」は、 ASUSTeKのマザーボード製品独自のものです。今回自作に使用したGIGABYTE製マザーボードにはそのような付属品はありません。

パソコン上ではなく、紙ベースの解説のほうがよいという方は、以下のページからPDFファイル化されたマニュアルをダウンロードして、印刷すればよいでしょう。

かんたん組み立てマニュアル(DOS/Vパラダイスのサポートページ)

このページでは、通常の設定におけるパソコンの自作について述べています。 Core 2 Quad Q6600のオーバークロックに興味のある方は、 「クアッドコアCPU Core 2 Quad Q6600 レビュー オーバークロック編」 をお読みください。

※当サイトの内容に基づくどのような運用結果に対しても、管理人は一切の責任を負いかねます。 あらかじめご了承ください。

パーツ構成

パーツ構成は以下のとおりです。

パーツ 商品名 購入価格(2007年10月上旬)
マザーボード GIGABYTE GA-P35-DS4 Rev.2.0 (P35+ICH9R) 23,800
CPU Intel Core 2 Quad Q6600 G0-STEP TDP 95W(FSB 1066MHz) 33,590
メモリモジュール CFD販売 W2U800CQ-1GLZJ (PC2-6400 1GBx2) 10,780
HDD HGST製Serial ATA HDD 500GB (3.5インチ、Serial ATA II) 流用
DVDドライブ MATSUSHITA LF-M821JD(IDE接続) 流用
FDドライブ 3.5インチ 2モード対応 流用
グラフィックカード Leadtek WinFast PX6600 GT TDH 128MB 流用
CPUクーラー CPUに付属のクーラー CPUに付属
PCケース OWLTECH OWL-612-SLT 流用
電源 Abee AS Power ER-2520A (520W) 流用
OS Microsoft Windows XP Professional SP2 DSP版 流用(FDドライブとのバンドル)
合計 (消費税込、送料除く) 68,170

※Windows XP のDSP版(OEM版)についてですが、 バンドルするハードウェア(今回はFDドライブ)と一緒に使用するというのが ライセンス上の条件になります。

※Gigabyte GA-P35-DS4 Rev.2.0 (P35+ICH9R) のマニュアルは英語でした。 日本語マニュアルが欲しいという方は注意してください。

パーツの流用を行うことで、たったの68,170円でパソコンを最新スペックにできるという点は、 パソコン自作ならではの強みです。

組立作業の注意点 - 組立前

今回行ったのは、一応は前に使用していたパソコンのアップグレードですが、 マザーボードを交換したので、作業の手間は一から自作したのと大差ありませんでした。 OSは再度クリーンインストールしました。

旧パソコンの重要なデータをバックアップしておくというのは当然として、 もうひとつ注意すべきは、ソフトウェア製品のライセンス認証です。 再インストール時のライセンス認証がどうなっているのかを確認しておくべきです。 例えば、最近のAdobe製品の場合、ライセンスの転送という手続きを行っておかないと、 再インストール後にインターネット経由でのライセンス認証が行えなくなる恐れがあります。

マザーボード「Gigabyte GA-P35-DS4」のドライバディスクはCDではなくDVDです。 このディスクには、チップセット、LAN、サウンドチップ等のドライバが入っています。 ですので、まずは自作するパソコンにはDVDが読めるドライブを搭載することが推奨されます。

今回のマザーボードには、Serial ATAの動作モードとして、 IDEモード、RAIDモード、AHCIモードの3つがあります。

ちなみに、AHCI(Advanced Host Controller Interface)とは、 Serial ATAのホストコントローラに関する仕様です。 AHCIモードを有効にすると、 NCQ(Native Command Queuing)と呼ばれるアクセス最適化技術が利用でき、 IDEモードよりSerial ATA HDDの性能が向上するといわれています。 また、電源を入れたままHDDの取り付けや取り外しを行う ホットプラグ(ホットスワップとも呼ばれます)が可能になります。

RAIDモードあるいはAHCIモードで動作させる場合、 OSインストール時にドライバを用意する必要があります (ただし、Windows VistaはAHCIを標準でサポートするため、 インストール時にドライバを用意する必要はありません)。

OSインストール時に、RAIDドライバもしくはAHCIドライバをインストールする場合、 セットアップ用のフロッピーディスクを作成する必要があります。 このフロッピーディスクを作成する作業は、 原則として組立前に、 これから自作するものとは別のパソコンにおいて行う必要があります。 その際、マザーボードのドライバディスク(DVD)が必要になります。

今回はAHCIモードを利用する予定ですので、 AHCIドライバのセットアップ用フロッピーディスクを作成します。 作成方法は以下のとおりです。

  1. ドライバディスクをDVDドライブ挿入する
  2. 空のフロッピーディスクをFDドライブに挿入する
  3. DVDドライブを仮にD:としたとき、D:\BootDrv\MENU.exeを実行する
  4. メニュー画面が表示されるので、「7) Intel Matrix Storage Manager 32 bit」を選択する

組立作業の注意点 - 組立中

LGA775ソケットのカバー(マザーボードの付属品)とCPUの保護カバー(CPUの付属品)は、パーツの保証を受ける際に必要になります(すべての付属品が揃っていることが保証の条件になっている場合が多い)ので、捨てずに保管してください。

最初は、市販の通常の白いシリコングリスを塗り、 CPUに付属のクーラーを装着して動作確認を行いました (CPUに付属のクーラーに付着している熱伝導グリスはあらかじめ除去しました)。

ケース内のPOWER SW等のケーブルにおいて、 ケースのアクセスランプに関するもの(XXX LED)には極性(+-)があります。 ピンを挿す方向を間違えないようにしてください。

これは私自身のこだわりなのですが、 マザーボードに付属のケーブル類は一切使用せず、 IDEやSerial-ATA等のケーブルはすべて市販のものを使用しています。 あと、ネジも製品に付属のものは使用せず、ネジセットを別に購入しました。 備品管理が楽だというのが主な理由です。 たとえば、使用感が少ないほうが他人に譲りやすいですし、 またその際、付属品がすべて揃っているか、それらが痛んでいないか、 といったことを心配しなくて済みます。

かつて、Pentium Dの時には、付属のクーラーの動作音はうるさいと言われていましたが、 Q6600に付属のクーラーの動作音は案外静かです。

組立作業の注意点 - BIOSの設定

Advanced BIOS Featuresにおいて、Boot Deviceの順序をFDD→CD-ROM→HDDの順にします:

First Boot Device:FDD
Second Boot Device:CD-ROM
Third Boot Device:HDD

また、Integrated PeripheralsのSATA RAID/AHCI Modeにおいて「AHCI」を選択し、 AHCIモードを有効にします。

組立作業の注意点 - OSのインストール

電源投入後、Windows XPのセットアップCD-ROMを挿入すると、 POST画面の後、「Press any key to boot from CD-ROM」と表示されますので、 何かしらのキーを押すと、セットアップCDを読みに行きます (ただし、OSインストール中に何度か再起動が行われますが、そのときはキーを押さないでください)。

セットアップCD-ROMを読み始め、画面が青くなった直後、[F6]キーを押します。 そうすることで、AHCIドライバ(もしくはRAIDドライバ)を追加することができます。 AHCIドライバは「Intel(R) ICH9 SATA AHCI Controller (Desktop ICH9R)」というものです。

組立作業の注意点 - ドライバのインストール

OSのインストールが終わり、パソコンが無事起動してWindowsのデスクトップ画面が表示されたら、 次にドライバのインストールを行います。

マザーボード「Gigabyte GA-P35-DS4」のドライバディスクにはXpress Installという ドライバを一括でインストールする機能があります。 最初はXpress Installを利用したのですが、 Realtek High Definition Audioドライバが正常にインストールできませんでした (デバイスマネージャで?マークがついている)。

試行錯誤しているうちに、どうやら「Windows UAA Bus driver for High Definition Audio」のインストールを「Realtek High Definition Audio」よりも前に行ってしまうと不具合が起こるようだということが判明しました。

Xpress Installではなく個別に、 「Windows UAA Bus driver for High Definition Audio」を最後にインストールし、 それ以外のドライバを先にインストールすることで、正常にインストールすることができました。

チップセット関連のドライバだけをインストールしても、 Windowsの終了オプションの「スタンバイ」がグレーになって無効化されていますが、 グラフィックカードのドライバもインストールすれば有効になります。

Serial ATAのホットプラグについて

今回のマザーボード「Gigabyte GA-P35-DS4」においてホットプラグを利用するためには、 まず、BIOSでAHCIモードが有効になっていることが必要です。

さらに、HotSwap!というソフトウェアを使うことで、 USB接続のHDDを取り外すときのような感覚での取り外し操作が可能になります。 HDDを取り外すときは、タスクトレイのアイコンを左クリックしてHDDを選択します。

※ HDDの取り付け、取り外しは、RATOC REX-SATA リムーバブルケースのトレイの抜き差しによるものです。

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