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メモリモジュールの構造

パソコンにおいて、メインメモリの役目を果たす部品がメモリモジュールです。

メモリモジュールは、メモリチップ(メモリデバイス)を何個か並べてできています。 メモリチップは、複数のメモリセルが集まってできたRAM(Random Access Memory)です。

各メモリセルは1ビット分のデータを記憶します。

RAMには、大きく分けてDRAM(Dynamic RAM)とSRAM(Static RAM)の2種類があります。

RAMの種類 メモリセルの構成
DRAM メモリセルがコンデンサ1個とトランジスタ1個とから作られる
SRAM メモリセルが数個のトランジスタからなるフリップフロップ回路によって構成される

メモリモジュールのメモリチップにはDRAMが用いられています。

メモリモジュールに使われているDRAMには、SDRAM、DDR SDRAM、RDRAM、DDR2 SDRAMの4種類があります。 現在(2004年7月時点)はDDR SDRAMが主流ですが、将来はDDR2 SDRAMが主流になるといわれています。

メモリモジュールの種類

メモリモジュールには、その形の違いによって、

の4種類があります。

SIMMは古いパソコンに使われていたメモリモジュールで、市場から消えつつあります。 また、SO-DIMMはノートパソコン用のメモリモジュールです。デスクトップパソコンではDIMMとRIMMが用いられます。

168ピンのDIMMはSDRAMを、184ピンのDIMMはDDR SDRAMを、184ピンのRIMMはRDRAMをそれぞれメモリチップとして使っています。

SDRAM

SDRAM(Syncronous DRAM)は、メモリバスクロックに同期して動作します。 すなわち、SDRAMの動作クロックはメモリバスクロックと同じです。

メモリバスクロック100MHz、133MHzに対応したものをそれぞれPC100、PC133と呼びます。

メモリモジュールの規格 最大データ転送速度 メモリバスクロック メモリバスのデータ幅
PC66 528MBytes/sec 66MHz 64bit
PC100 800MBytes/sec 100MHz 64bit
PC133 1064MBytes/sec 133MHz 64bit

DDR SDRAM

DDR SDRAM(Double Data Rate SDRAM)はSDRAMを改良したものです。

SDRAMがクロックの立ち上がりにのみ同期するのに対して、 DDR SDRAMは立ち上がりと立ち下がりの両方に同期します。

したがって、DDR SDRAMは1クロックで2回のデータ転送が可能になり、 SDRAMの2倍のデータ転送を実現します。

メモリバスクロック100MHz、133MHz、166MHzに対応したものを、 それぞれDDR200、DDR266、DDR333といいます。DDRの後の数字は動作クロック(MHz)を表しています。

一方、DDR200、DDR266、DDR333のDDR SDRAMを用いたDIMMは、 それぞれPC1600、PC2100、PC2700と呼ばれています。 PCの後の数字は、DIMMの最大データ転送速度(MB/秒)を表しています。

メモリモジュールの規格 メモリチップの規格 最大データ転送速度 メモリバスクロック メモリバスのデータ幅
PC1600 DDR200 1.60GBytes/sec 100MHz 64bit
PC2100 DDR266 2.13GBytes/sec 133MHz 64bit
PC2700 DDR333 2.66GBytes/sec 166MHz 64bit
PC3200 DDR400 3.20GBytes/sec 200MHz 64bit

RDRAM

RDRAM(Rambus DRAM)は、アメリカのラムバス社が開発した技術によって改良されたDRAMのことです。 動作クロックを高めることにより高速化を図りました。

メモリバスクロック300MHz、400MHz、533MHzに対応したものをそれぞれPC600、PC800、PC1066と呼んでいます。 動作クロックはメモリバスクロックの2倍です。

メモリモジュールの規格 メモリチップの規格 最大データ転送速度 メモリバスクロック メモリバスのデータ幅 ピン数
- PC600 1.20GBytes/sec 300MHz 16bit 168
- PC700 1.42GBytes/sec 356MHz 16bit 168
RIMM1600 PC800 1.60GBytes/sec 400MHz 16bit 168
RIMM2100 PC1066 2.13GBytes/sec 533MHz 16bit 168
RIMM3200 PC800 3.20GBytes/sec 400MHz 32bit 232
RIMM4200 PC1066 4.26GBytes/sec 533MHz 32bit 232

RDRAMをメモリチップに用いたメモリモジュールをRIMMといいます。RIMMは通常、2枚1組で用います。 RIMMを1枚だけ用いるとき、もう1枚のダミーとしてC-RIMM(Continuity RIMM)が必要です。 C-RIMMは、メモリチップを搭載しないRIMMです。

tRAC(Row Access Time)タイミングとは、RDRAMの制御用電気信号のタイミングをナノ秒(ns)単位で示したものです。 数値が低いほど、RIMMの動作が高速であることを意味します。 例えば、PC800-40のRIMMは、tRACが40nsであることを示しています。

DDR2 SDRAM

DDR2 SDRAM(Double Data Rate 2 SDRAM、以下DDR2と略します)とは、DDR SDRAM(以下DDRと略します)の後継となるメモリチップあるいはその規格のことです。

現在(2004年7月時点)、DDR2-533とDDR2-400の二種類が市場に出回っています。DDR2の後ろの数字は動作クロック(MHz)を表しています。

DDR2-533、DDR2-400を用いたDIMMは、それぞれPC2-4300、PC2-3200と呼ばれています。PC2の後の数字は、DIMMの最大データ転送速度(MB/秒)を表しています。

メモリモジュールの規格 メモリチップの規格 最大データ転送速度 メモリバスクロック
PC2-3200 DDR2-400 3.20GBytes/sec 100MHz
PC2-4300 DDR2-533 4.30GBytes/sec 133MHz

DDR2では、プリフェッチと呼ばれる、データを先読みする動作の高速化がなされています。従来のDDRは1クロックあたり2ビットのプリフェッチに対応しています。それに対してDDR2はその2倍の、1クロックあたり4ビットのプリフェッチに対応しています。これにより理論的には同じ動作クロックでDDRの2倍の速さでデータを転送することができるようになります。

DDR2の動作電圧は1.8Vで、DDRの2.5Vよりも低くなっています。また、DDR2はDDRよりも消費電力が小さくなっています。これによりさらなる高クロック化に対応でき、その結果としてデータ転送速度の向上が期待できます。

DDR2はDDRよりもレイテンシ(アクセス要求を行ってから、実際にデータが読み書きする準備ができるまでの時間)が長く、CL(CAS Latency、キャス・レイテンシ)は従来のDDRが2〜3なのに対して、DDR2は3〜5です。基本的にはレイテンシは短いほうがよいので、この点はDDR2のほうが不利です。しかし一方で、DDR2にはデータの読み書きを効率化する「Posted CAS」と呼ばれる機能が追加されています。

その他、DDRに対して、DDR2では安定動作のためのさまざまな機能が追加されています。

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