パソコン自作NAVI

なぜ使用目的を考えるのか

なぜ使用目的を考える必要があるのでしょうか。

まず、普段使わない機能を備えていても無駄である、という常識的な考え方があります。例えば、主に事務的な仕事で使用し、せいぜいMicorosoft Office製品を快適に動作させる程度の性能しか必要ないのに、3Dゲーム用のハイエンドなグラフィックカードを搭載するのは意味がないと考えるのが普通だと思います。ちなみに、一般に、あるパーツが使用目的を超える性能であるとき、その性能はオーバースペックであるという言い方をします。

一方で、何でもできる高性能なパソコンを作りたい、というのはパソコン自作ユーザーにとって自然な欲求といえます。そのためには、それぞれのパーツに最もハイエンドなものを採用すればよいのではないか、と思うところですが、その場合、やはり第一に予算の問題が生じます。CPUやグラフィックカードなど各々のパーツに市販されているハイエンド製品を採用するとなると、パソコンを自作するのに必要な予算は一般的な金額(10万円前後、本体のみ)よりかなり高くなります(数十万円以上、本体のみ)。

それでは、予算の問題さえクリアすればよいのか、というと、もっと難しい問題があります。PCパーツの性能は、一般にトレードオフの関係があります。トレードオフとは、一方の条件を満たすために他の条件を犠牲にせざるを得ない状況のことです。例えば、処理速度を追求すると、消費電力、動作音が大きくなる傾向があります。処理速度も消費電力も動作音もすべて良しという都合のよいパーツは、残念ながら存在しません。

また、PCパーツのなかには、特定の用途に最適化されているものがあります。例えば、NVIDIAのGPU(Graphic Processing Unit)にはGeForceとQuadroの二種類があり、前者は3Dゲーム向け、後者はCADや3DCG制作向けです。この両者については、どちらの性能が上か下か、といったような単純な比較はできません。

以上の理由により、パソコン自作ユーザーは、おのずと使用目的に沿ってPCパーツを選別する必要に迫られるわけです。

最新・ハイエンドであることが常に最良とは限らない

最新のハイエンドなパーツは、処理が高速であるかわりに消費電力や発熱量も大きい、という傾向があります。処理能力の高さを優先する場面においては、最新のハイエンドなパーツを選択することがおおむね最良の選択になります。

しかし一方で、静音パソコンを自作する場合、処理速度を犠牲にしたくない場合には水冷キットを使用するというような方法がある一方で、処理速度がそれほど重視されない場合には、発熱量の少ないローエンドパーツを採用するか、もしくは古いPCパーツを流用するという判断もありうると思います。発熱量が少なければ、主な騒音源である冷却ファンの回転数が抑えられるので、結果として静音化につながります。

ソフトウェアの推奨動作環境

パソコンの使用目的の典型例として、「○○というタイトルのゲームがしたい」「動画編集に使いたい」「写真編集に使いたい」などがあります。それぞれに対する注意事項は[目的別パーツ選択のポイント (2)]に書いてありますが、ここではもっと原則的な話をしたいと思います。

パソコンで何かしら作業をする際には、必ず何かしらのソフトウェアを使用することになります。例えば、「リネージュII」をプレイするときには「リネージュII」のゲームソフトを、動画を編集するときには「TMPGEnc Xpress」「Adobe Premire」などのソフトを、写真を編集するときには「Adobe Photoshop」などのソフトをインストールして使用します。

上記のように、使用目的のなかには、使用するソフトウェアを快適に動作させることに帰着するものがあります。

一方で、たいていのソフトウェア製品は、そのメーカーのウェブサイト(ゲームなら公式サイト)において「推奨動作環境」を公表しています。推奨動作環境とは、そのソフトウェアが快適に動作するであろうパソコンスペックの目安です。

つまり、パソコンの使用目的が特定のソフトウェアを使用することに帰着する場合、そのソフトウェアの推奨動作環境をクリアするようにPCパーツを選択せよ、ということです。使用するソフトウェアが複数ある場合には、そのすべての推奨動作環境をクリアするようにPCパーツを選択すればよいわけです。

使用目的は自作した後に生じる

後になって新たな使用目的が生じることはよくあります。例えば、「最初は仕事上の必要に迫られてパソコンを購入したが、後になって自分が録画したビデオの編集に使いたくなった」というような場合です。

パソコン自作ユーザーには、後からパーツを交換・増設して性能をアップさせるという解決策があります。ですので、将来のことまであれこれ心配し、最初から「完璧な」パソコンを作ろうとしなくても大丈夫です。

ただし、以前に自作してから3年以上経過し、PCパーツやインターフェイスの規格が大幅に変わってしまったような場合(例:Socket478→Socket775、DDR→DDR2→DDR3、AGP→PCI-Express x16)には、新たなパソコンを一から自作する覚悟が必要です。

組立作業の体験が目的

パソコンの仕組みを学びたいなどの理由で、パソコンの組立作業を体験してみたいという方もいるかと思います。

自作パソコンは原則として、PCパーツの選択からすべて自分で行う必要があります。しかしながら例外として、組立キットと呼ばれる、パソコンショップが販売しているPCパーツのセットを購入すれば、相性問題など自分でPCパーツを選択したときに発生するリスクを無くすことができます。もちろん、自分で組立作業を行ってパソコンを完成させます。

パソコンを組み立てたいけれどもPCパーツの選択に自信が無いという方は、組立キットの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

組立キットの一覧はこちら

[目的別パーツ選択のポイント (2)]へ

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