パソコンを完成させるために
- パソコン自作を解説した本を読む([コンピュータ・インターネット関連書籍 - 自作パソコン] 参照)
- インターネットで調べる
- パソコン自作経験者に相談する
- 組み立て作業中は決してあせらない
最近は、パソコンの自作について書かれた本が多く出版されており、丁寧に解説されています。 とくに組み立て作業の工程を写真や図で解説した本はとても参考になります。 このサイトの [コンピュータ・インターネット関連書籍 - 自作パソコン]では、そのような本を取り扱っています。
組み立てる前に必要となる知識はこのサイトで解説しています。 組み立ての手順についてはこれから説明します。 組み立て後のトラブルに関しては、[トラブル解決の秘訣]、[パソコン自作FAQ]を参照してください。また、[リンク]に掲載されているウェブサイトから情報収集をしてください。
パソコン自作について、書籍やインターネットで調べてもわからないことは、自作経験者に相談するとよいでしょう。
組み立て作業中、うまくいかなくなってカッとなったところに、トラブルの悪魔は寄ってきます。 あせらず、落ち着いて作業しましょう。
パソコン本体を構成するパーツ
パーツとは、CPUやマザーボードといった部品のことです。パソコンは、複数のパーツを組み合わせてできています。 一般に言われている「パソコンの自作」とは、回路を設計してICを基板にハンダ付けするといったことではなく、パーツを選んで組み立てることを指します。 そして、必要なパーツさえ揃っていれば、組み立て作業そのものは簡単です。
最低限必要なパーツ
パソコン本体を組み立てるために必要なパーツは以下のとおりです。
パーツ | 役割 |
---|---|
CPU(中央処理装置) | パソコンの頭脳。パソコンの動作に必要な計算処理を行う |
CPUクーラー | CPUを冷却する |
メモリモジュール | CPUが計算処理を行うとき、その結果を一時的に保存する |
マザーボード | パソコンの土台となる基板。マザーボードに搭載されているチップセットがパソコンの基本性能を決定する |
ハードディスクドライブ | 各種データを保存する |
光ディスクドライブ | CD-ROMやDVD-ROMなどの光ディスクからデータを読む |
フロッピーディスクドライブ | フロッピーディスクにデータを読み書きする |
グラフィックカード | CPUの処理結果をディスプレイに送る。グラフィック機能を内蔵するチップセットを搭載したマザーボードを選択した場合、グラフィックカードは必ずしも必要ない |
ケース | 各パーツを組み込み、収納する箱 |
電源装置 | パソコンに電力を供給する |
マウス | 手で握って使う。カーソルを動かしてクリック、ドラッグなどの操作を行う |
キーボード | キーを叩くことにより文字を入力する |
ケーブル | パーツ間のデータの通り道 |
ネジ | パーツを固定する |
パソコンを使うためには、さらに、ディスプレイを購入する必要があります。あと、OS (Windows XP、Linux など) も必要です。
パーツ | 役割 |
---|---|
ディスプレイ | CPUの処理結果を画面に表示する |
OS | アプリケーションソフトに共通する基本的な機能を提供し、コンピュータシステム全体を管理するソフトウェア |
必要に応じて選択するパーツ
以下のパーツは、パソコンを動作させるのに必ずしも必要というわけではありません。 パソコンの使用目的に応じて取捨選択してください。
- サウンドカード
- スピーカ
- LANカード
- テレビチューナーカード
- ビデオキャプチャーカード
- インターフェース増設用のカード(USB、IEEE1394)
- RAIDカード
なお、パソコン自作に必要なパーツをセットにした「組立キット」と呼ばれるものがパソコンショップで販売されています。このサイトの [組立キットの紹介] で紹介しています。
パソコン自作の流れ
1. 自作するパソコンの方向性を考える
- 使用目的から方向性を考える
- インターネット接続
- ワープロ、表計算
- プログラミング
- 写真編集
- ビデオ編集
- テレビ録画
- 3DCG編集
- DTM
- 3Dゲーム
- サーバ
- 今まで使用していたパソコンに対する不満から方向性を考える
- 処理速度が遅い
- アプリケーションソフトを快適に使いたい
- 最新の周辺機器を使用したい
- こだわりから方向性を考える
- 拡張性
- 省スペース
- 静音
- ルックス
2. 計画を立てる
- 全体の予算を決める
- 組み立てるパソコンに搭載したい性能や機能を考える
([目的別パーツ選択のポイント] 参照)
- 必要なソフトウェアを考え、それを快適に使うのに必要な性能や機能を考える
- アプリケーションソフト(Microsoft Office、Adobe Photoshopなど)
- OS(Windows XPなど)
- 必要なハードウェアを考え、それを快適に使うのに必要なパソコンの性能や機能を考える
- テレビチューナーカード
- ビデオキャプチャーカード
- 必要なソフトウェアを考え、それを快適に使うのに必要な性能や機能を考える
- 2に沿ってパーツを選択する
- CPUを選択する
- メモリモジュールを選択する
- マザーボード(チップセット)を選択する
- ドライブ類を選択する
- ハードディスクドライブ
- 光ディスクドライブ
- フロッピーディスクドライブ
-
拡張カードを選択する
- グラフィックカード
- サウンドカード
- LANカード
- テレビチューナーカード、ビデオキャプチャカード
- インターフェース増設用のカード
- ケースを選択する
- 電源装置を選択する
- 入力装置を選択する
- キーボード
- マウス
- 出力装置を選択する
- ディスプレイ
- スピーカ
- コストを計算する。1で決めた予算を超えたら3へ戻る
- パソコン本体を構成するパーツ
- ディスプレイ
- OS
- アプリケーションソフト
3. 実行する
- パーツを購入する( [リンク]→[PCパーツを販売しているショップ]でパーツが購入できる販売店を紹介)。 もしくは、組立キットを購入する([組立キットの紹介] で組立キットを紹介)
- パソコンを実際に組み立てる(以下で説明)
- システム環境を整える
- OS、デバイスドライバ、アプリケーションソフトなどのインストール
- プリンタなどの周辺機器の接続
組み立て作業
必要な道具
- プラスドライバー
- ピンセット
- 懐中電灯
どうしても必要な道具はプラスドライバーだけです。 プラスドライバーは先が磁気を帯びていてネジがくっつくものが便利です。 磁気はパソコンの部品に悪影響を及ぼすのではないか、と心配するかもしれませんが、 プラスドライバーの磁気はそれほど強いものではないので大丈夫です。
小さい部品 (ジャンパピンなど) を取り扱う際にピンセットが役立ちます。
作業が進んでくると、取りつけた部品の影になっているところでの作業を強いられることがよくあります。 懐中電灯を用意しておくと便利です。
作業時の注意
- 作業前には静電気を逃がす
- 作業するときは電源プラグを抜いておく
- 部品を無理矢理さそうとしない
パソコンの部品は精密機械なので、静電気は大敵です。作業の前には必ず、金属に触るなどして体の静電気を逃がしておきましょう。
電源がつながったまま作業することは感電の原因になります。
パソコンの部品は、それほど力を入れなくてもささります。 コネクタの赤い線や凹凸に注意しながら作業しましょう。 ささりにくいからといって無理に力を入れると、部品の先が折れたりして使い物にならなくなってしまいます。
組み立て作業の大まかな流れ
- ケースからマザーボードを取りつけるためのパネルを外し、そのパネルにマザーボードを固定する
- CPUをマザーボードに取りつける
- CPUクーラーをCPUに取りつける
- メモリモジュールをマザーボードのメモリスロットに差し込む
- マザーボードのジャンパ(CPUの動作電圧と動作クロック)を設定する
- フロッピーディスクドライブをケース(3.5インチドライブ)に取りつける
- ハードディスクドライブをケース(3.5インチドライブ)に取りつける
- CD−ROMドライブをケース(5インチドライブ)に取りつける
- マザーボードをケースに収める
- 各種ケーブルの配線
- マザーボードの電源コネクタに電源装置からの電源ケーブルを接続する
- マザーボードにケースのフロントパネルからのケーブルを接続する
- CPUクーラーに電源ケーブルを接続する
- ハードディスクドライブに電源ケーブルを接続する
- フロッピーディスクドライブに電源ケーブルを接続する
- CD−ROMドライブに電源ケーブルを接続する
- マザーボードとフロッピーディスクドライブをケーブルでつなぐ
- マザーボードとハードディスクドライブをケーブルでつなぐ
- マザーボードとCD−ROMドライブをケーブルでつなぐ
- グラフィックカードをマザーボードの拡張スロットに差し込む
- BIOSを設定する
- OSをインストールする
- デバイスドライバをインストールする
作業の順番は、マザーボードやケースの形状によって、入れ替わることがあります。
作業手順の写真付きの解説は、以下のウェブページにてご覧いただけます。
→ かんたん組み立てマニュアル(DOS/Vパラダイスのサポートページ)
組み立て作業のポイントの一つは、パソコンが動作するために必要な最低限のパーツだけで組み立てて、正常に動作することを確認したあとに、それ以外のパーツを一つ一つ追加することです。こうすれば、トラブルが起きたときに原因が特定しやすくなります。
組み立て作業の難所
- 配線
- マザーボードのジャンパの設定
最もトラブルの原因となりやすいのが各部品の配線です。 配線ミスがあるとパソコンは動きません。 最悪の場合、ショートを起こして部品が壊れたりします。十分に気をつけましょう。
配線の作業中にうっかり部品を傷つけたり、自分の手を切ったりすることがあります。 また、コネクタやボードが奥までささっていなかったり、コネクタを逆にさしたり、 はたまた部品をさす位置がずれていたりといったことがありがちです。
ジャンパの設定の作業は、ジャンパピンと呼ばれる小さい部品を抜いたりさしたりします。 ジャンパピンは無くしやすいので注意しましょう。 素手では作業しにくい場所にあるジャンパもあります。 そんなときピンセットがあると便利です。 最近のマザーボードには、ジャンパのないものもあります。