パソコン自作NAVI

はじめに

このコラムは、自作パソコン掲示板に投稿してくださったカズさんの記事を、カズさんの許可を得てパソコン自作コラムの記事として掲載したものです。掲示板に原文(スレッド名「自作PC1号機完成」、日時:2008/05/31 23:16)がありますが、ここに掲載したものはこのサイトの管理人が原文に多少の加筆・修正を行っています。

カズさんは掲示板で、次のようにおっしゃっていました。

「自信の無い初心者の方は安価なパーツの構成が出来るスペックを教材にすると良い勉強になります。私の場合本等で勉強するより、実際に組立てて動くかやってみるタイプなので、ジャンク品やオークションのパーツはとても良い教材でした。しかし光学ドライブ以外にも使えないパーツを買いましたが、投資が少ないので割り切れます。」

パソコン自作においては、入手したパーツが故障・動作不良・相性問題・規格の不一致等で使えないことがある、というリスクがあります。パソコンのパーツは決して安くはなく、金銭的な損失は決して小さくありません。管理人は、今回のカズさんの体験談から、あらかじめ低予算で自作にチャレンジすることでリスクを軽減するという考え方を学ばせてもらいました。

低予算でパソコンを自作する手段として、中古パーツを利用するという方法があります。今回の体験談では、中古のメーカー製PCをアップグレードする、中古のPCケースにメーカー製PCの中身を移す、など、さまざまなシチュエーションが登場します。中古パーツを利用した自作について、このような系統的な情報は貴重だと思います。

予算3万円からの出発

1年半前に4年前に中古で購入したノートPCに限界を感じ、新しいPCが欲しくなり、我が家の財務大臣に交渉し、3万円の予算を許可されました。

しかし、メーカーPCは中古でも予算オーバー、携帯で情報収集の毎日が続いたある日、BTOと自作キットのページを発見、価格は予算内でしたが、自分でPCを組み立てる自信がありません。自作経験者も周りにいない為、購入まで踏み切れませんでした。

私が新しいPCを手に入れるには、自作の手段しかありませんでした。 本で勉強しようと購入しましたが、専門用語が多くまったく理解出来ませんでした。 携帯で自作サイトを検索し、当サイトがヒットしました。 パーツの基礎知識と自作コラムを読み、まず使用目的を決めました。

DVDの作成出来るPCを目標に自作を始めました。

中古PCをアップグレード

まずは予算3万円で中古PCを購入し、パーツ交換をして目標PCを作成しようと考えました。 オークションで中古のセット品(本体・液晶モニタ・キーボード・マウス)を2万弱で落札。 メーカーとスペックは下記の通りです。

本体:NEC Mate MA10
CPU:Pentium III 1GHz
メモリ:128MB
HDD:15GB
光学ドライブ:CD-ROM

まず問題なのが光学ドライブです。DVDどころかCDの書き込みも出来ません。早速交換と思ったのですが、メーカースリム型に多いスリムドライブ。中古部品が少なく、見つけても価格が高く手が出ません。

次にNECの5インチベイが入るスリム型のジャンク品を見つけて、500円で購入。電源は入るが、BIOS起動せず、残念ながらマザーボードの形状が違い交換を断念。メモリが1枚あったので増設して192MBにする。

中古のケースを購入してメーカーPCのパーツを移す

次に考えたのが、中古のケースを購入してパーツを移すことでした。

電源付きのATXケースが中古品で3千円で売っていましたので、早速購入してチャレンジしました。 マザーボードのネジ位置が心配でしたが、問題無く取り付け出来ました。 光学ドライブはジャンクで購入したPCのDVD-ROMドライブを取り付けました。 他のパーツも問題なく取り付け配線が終わりましたが、電源のスイッチが、基盤で変換出来ずに基盤をむき出しのまま動作確認をしました。

動作確認済のメーカーPCのパーツをそのまま移動しただけなので、問題無く起動しました。 DVD-ROMドライブも認識され使用可能になりましたが、CDの書込みが壊れていました。 電源スイッチの問題を解決しようとチャレンジしましたが、基盤を解読して変換するのは難しく断念しました。

結局メーカーPCのパーツ交換では目的のPCに出来ずに、メモリとHDDの増設をして元に戻しました。

中古のケースで自作

次に中古のケースで自作を始めました。知識不足と相性問題が怖くて新品のパーツにはまだ手が出せませんので、Socket 370で組む事にしました。 マザーボードはMSI MS-6120。ジャンク品で400円で売っていました。 Slot 1なのでSocket 370に変換するボード(300円)を一緒に購入しました。

メモリ:128MB 中古品 500円
HDD:40GB 中古品 1700円
CPU:Pentium III 1GHz 中古品 1000円
グラフィックボード:玄人志向 型番不明 中古品 1200円
光学ドライブ:DVD-ROM 手持ち品

組立までは良かったのですが、モニタ接続の時に問題発生。グラフィックボードはアナログRGB、モニタはDVI端子で接続できない。 オークションで安いアナログモニタを落札。 接続して動作確認をしました。 電源を入れるとBIOSが起動したので一安心です。

Windows 2000をインストールしようと思いましたが、NECのDSP版でインストール出来ませんでした。 代わりに手持ちのWindows XPをインストールしましたが、このスペックではXPがやっと起動するPCになり、目的のDVDの作成はまだまだ出来ません。

中古のケースで自作したのが去年(2007年)の6月下旬。 5月下旬から神奈川県に1ヶ月の研修に来ていました。 研修手当ても出るので、時間と少し金銭的にも余裕がありました。 秋葉原に近いのも自作には好条件でした。

7月に自宅に戻ると、時間とお金に余裕が無くなり、パーツ代を貯めながら、勉強と情報収集に励みました。

今年(2008年)の1月に予定していた会社の新年会が中止になり、積み立てしていたお金が戻りました。 半年のパーツ貯金と合わせて3万円の資金になりました。 まだ相性問題が心配で、パーツ購入に踏み切れません。

新品パーツ購入を決行

購入していた雑誌の付録で初心者でも必ず完成する組立ガイドがあるのを思い出しました。 同じパーツ構成にすれば相性問題は無いと思い、 本に書かれているパーツ探しを始めました。

自作を始めてCPUにはIntel製とAMD製があるのを知りました。 Intel製では予算オーバーなので、AMD製CPUで組む事にしました。

近くにパーツショップが無いので通販で購入するしかありませんが、雑誌に載っている相場より高く送料もかかります。 本当は秋葉原に出向いて購入したいのですが、交通費だけでマザーボードが買えるくらいの金額になってしまうので、解らないことは問い合わせでショップに質問して、慎重に通販で購入しました。

1万円以上購入すると送料が無料になるショップがあり、CPUとメモリを同時に購入して送料を浮かせました。 購入したパーツは、

マザーボード:ASUSTeK Computer M2A-VM HDMI
CPU:AMD Athlon 64 X2 4200+
メモリ:Team DDR2-800-1GB
ケース・HDD・光学ドライブは手持ち品を使用。

発注して1週間でパーツが揃いました。

いよいよ組立

組立の前に、去年(2007年)6月に中古のケースで組み立てたPCの分解です。ケース・電源・HDD・光学ドライブは流用しますので、配線を外して、マザーボードをケースから取り出し、分解作業は終了しました。

いよいよ組立です。

購入したマザーボードはグラフィックがオンボードで、ゲームはやらないので当分はケースについている400W電源で十分です。

マザーボードを箱から出し、箱の上に乗せてCPUとメモリを組み込みます。 CPUはクーラー付のリテール品を購入しました。CPUをセットして、グリスを塗った後に、本を見たら純正クーラーにはグリスが付いていると書かれていました。グリスを拭き取りクーラーを取り付けました。 メモリは向きを確認して取り付けました。

マザーボードをケースに取り付けです。ネジの位置が違うので、まずは位置の変更をしました。 次にI/Oパネルのカバーを取り付けて、マザーボードをセットして位置を確認しながら、ネジを締めていきました。

次に配線です。電源・CPUファン・前面のS/WやUSB端子の配線を終えました。

今回初の問題が出ました。HDDと光学ドライブがIDE接続なのですが、マザーボードにはIDEコネクタが1つしかなくケーブルの長さも足りません。両方のドライブを移動して何とか接続出来ました。

モニタ・キーボード・マウスを接続していよいよ起動です。

ケースのS/Wを入れると、マザーボードのロゴが表示されました。一安心して1度電源を切り、ケースのカバーを取り付けました。

OSをオークションで落札

OSを購入していなかったので、ノートPCのWindows XPをインストールして動作確認しました。

電源を入れBIOSを起動します。光学ドライブへインストールCDを入れて、設定をして再起動します。OSのインストール画面が表示されました。 画面の指示に従い、インストールが完了し再起動しました。 OSのセットアップCDを取り出し、マザーボードに付いていた、ドライバーCDでドライバーをインストールして再起動。 BIOSを起動して1stドライブをHDDに設定。 OSを起動して、デバイスドライバをチェック?マークが無いことを確認、最後に画面の解像度をモニタに合わせて完了。

Pentium III 1GHzからデュアルコアの2.2GHzになり速さにびっくりです。 使えるPCになりましたが、OSは30日の限定ですし、目的のDVDの作成はまだ出来ません。

OSをXPかVistaするか随分悩みました。ネットワーク環境が無い状態なので、不完全なVistaの購入には踏み切れません。SP1が発売されていましたが、まだ不安でした。XPも価格が下らず半月ほど悩みました。

結局オークションでXP Proを落札しました。トラブルになりやすいと聞いていたので、避けていたのですが、金額の安さに負けてしまいました。インストール・ライセンス認証が問題なく完了し、今のところ問題はありません。

オークションで落札した光学ドライブが・・・

マザーボード・CPU・メモリ・OSの購入で2万5千円ほど出費し、残り5千円ではHDDと光学ドライブは買えません。

そこで、今回の自作PCの完成で使用頻度が落ちるメイト君を売りに出すことに。 会社の人に本体・モニタ・キーボード・マウスのセットを8千円で売却、HDD(日立GST Deskstar P7K500)を購入。 これでIDEコネクタの問題が解決し、HDDと光学ドライブを元の位置に戻して配線完了。

残るは光学ドライブなのですが、ショップに比べて通販はかなり金額が高く、オークションでDVD-RWドライをを落札したまでは良かったのですが、認識はされるもののCDの読み込みも出来ない物でした。

初めて本当のごみを買ってショックでした。しかしまたオークションでDVD-RAMドライブを落札、今度こそはと思ったのですが、CD書込みNG、DVD書込みエラー連発で使い物になりません。

通販を見ていたら、2台分の金額で新品が買えました。 しかし買うお金がありません。あまりのショックに2〜3日何もしませんでした。

ついに完成!

何気に通販サイトを見ていたら、以前に部品の購入などでポイントが付いて、光学ドライブが買えるまで貯まっていました。 早速Lite-OnのDH-20A3Sを購入し、無事にDVDが作成出来る自作PC1号機を3ヶ月を費やし完成しました。

大変快適なPCに仕上がり大満足です。

早いPCを手に入れたら欲が出て光につなぎたくなり、財務大臣に交渉。半月の説得で予算が通過しました。 4月中旬に光が開通し、これまでの携帯での情報収集に変わって、自作PCで情報収集を行っています。 会社の後輩にPCの製作を依頼され、パーツ選びの真最中です。

最後になりますが、まだまだ知識不足で経験豊富な方から見れば、情報不足なスレですが、これから自作を始めようとしている方の、参考になればと私の体験を書きました。

今回の自作での失敗は光学ドライブです、新品でも4千円前後で購入出来るので、リスクの多い中古品はおすすめしません。

管理人のありがとさん以前に大変お世話になりました。勉強を続けて1号機を完成する事が出来ました。 本当にありがとうございました。

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