パソコン自作NAVI

はじめに

このページのコラムを書く際、パソコン自作初心者にわかりやすく簡潔に説明するよう心がけました。 明確さを重視して、あえて特定の製品名やメーカー名を挙げて紹介しています。 反面、大雑把で独断的な部分も少なからずあります。内容を鵜呑みにしないでください。

このページには性能品質という二つの言葉がよく出てきます。 一般的なものではなくこの場限りの定義ですが、 性能とは、スペック表に記載され、ベンチマークテストで計測できるような目に見える判断基準です。 一方、品質とは、動作の安定性、故障のしにくさといった目に見えにくい判断基準です。 パーツを選択するときには、性能だけでなく品質にも着目したいところです。

パソコンを組み立てるのに必要なパーツ

パソコンの自作とは、パーツを自分で選択し、組み合わせてパソコンを組み立てる作業です。 そして、自作によって組み立てられたパソコンを自作パソコンといいます。

パソコン本体を組み立てるために必要なパーツは以下のとおりです。

パーツ 役割
CPU(中央処理装置) パソコンの頭脳。パソコンの動作に必要な計算処理を行う
CPUクーラー CPUを冷却する
メモリモジュール CPUが計算処理を行うとき、その結果を一時的に保存する
マザーボード パソコンの土台となる基板。マザーボードに搭載されているチップセットがパソコンの基本性能を決定する
ハードディスクドライブ 各種データを保存する
光ディスクドライブ CD-ROMやDVD-ROMなどの光ディスクからデータを読む
フロッピーディスクドライブ フロッピーディスクにデータを読み書きする
グラフィックカード CPUの処理結果をディスプレイに送る。グラフィック機能を内蔵するチップセットを搭載したマザーボードを選択した場合、グラフィックカードは必ずしも必要ない
ケース 各パーツを組み込み、収納する箱
電源ユニット パソコンに電力を供給する
マウス 手で握って使う。カーソルを動かしてクリック、ドラッグなどの操作を行う
キーボード キーを叩くことにより文字を入力する
ケーブル パーツ間のデータの通り道
ネジ パーツを固定する

パソコンを使うためには、さらに、ディスプレイを購入する必要があります。あと、OS(Windows Vista、XPなど) も必要です。

パーツ 役割
ディスプレイ CPUの処理結果を画面に表示する
OS アプリケーションソフトに共通する基本的な機能を提供し、コンピュータシステム全体を管理するソフトウェア

以下に述べることを踏まえてパソコンを自作すると、パソコン本体(ディスプレイ、OS除く)で10万円〜15万円ほどかかります。予算を見積もる際の参考にしてください。

自作パソコンはATX・ミドルタワーが基本

PCケースはATX対応のミドルタワー、電源ユニットはATX対応、マザーボードはATX。これが自作パソコンの基本です。

現在、PCケースではAntec製のものが人気で、特にP182が定番中の定番です。 また、電源ユニットではAbee製のものが品質もよく、人気も高いようです。 マザーボードのメーカーではASUSTeKが最もメジャーでしょうか。

なお、PCケースは電源付属のものと電源別売のものと二種類ありますので、パーツを揃える際には注意してください。

初心者はIntel製CPUを選ぶのが無難

自作市場において販売されているCPUには、Intel製のものとAMD製のものがあります。 両者を比較して性能や品質に明確な差があるわけではありませんが、 現状ではIntel製CPUが業界標準、という印象です。 ですので、初心者の方は、特にこだわりがなければIntel製CPUを選択するとよいでしょう。

Intel製CPUのなかで、とくにメジャーなのがCore2Duoシリーズです。 今自作するならCore2Duoを選択するのが最も手堅いといえます。

CPUクーラーは、リテール品(=箱に入った状態の新品)のCPUに同梱されています。

メモリモジュールは現在、メモリチップとしてDDR2 SDRAMを搭載したもの(つまり、DDR2-XXX対応あるいはPC2-XXXX対応というような言い方がされているような製品。Xには数字が入ります)が主流です。 バルク品は、初心者は避けたほうが無難です。 数あるなかでとりあえずのオススメはCFD販売のメモリモジュールです。安いうえに品質もよさそうです。

CPU、メモリモジュールが決まると、マザーボードもおおむね決まります。 Intel Core2Duo(ソケット形状:LGA775)、DDR2メモリ対応のATXマザーボードと条件を絞れば、各メーカーで数個の製品に絞られます。 あとはマザーボードに搭載のチップセットについてですが、Intel P35 Expressが標準的です。

ビデオカードはPCI-Express対応が主流

ビデオカードには、PCI-Express対応のものとAGP対応のものと主に二種類あります。両者に互換性はありません。 現在はPCI-Expressが主流であり、AGPは徐々に過去のものとなりつつあります。

ビデオカードに搭載されているGPU(Graphics Processing Unit)には、大きく分けてnVidia GeForceシリーズとATI Radeonシリーズの二種類があります。どちらも優劣がつけがたいですが、3Dゲーム目的でビデオカードを使用するならnVidia GeForceを選択しておいたほうが無難という印象です。

ビデオカードの品質の良さでは、ELSAの製品が定評があります。

ディスプレイは、液晶画面のディスプレイが主流です。 現在では、WUXGA(1920x1200)やWSXGA+(1600x1050)などのワイド型のものが多く出回っています。 ディスプレイの接続端子には大きく分けてアナログ接続のD-Sub 15ピンとデジタル接続のDVI-Dがあります。

メジャーなメーカーは、やはりNECと三菱電機でしょうか(2005年2月ごろ合弁解消した、共同出資の「NEC三菱電機ビジュアルシステムズ」がかつて有名でした)。ハイエンドな製品では、株式会社ナナオのEIZOブランドが昔から画質のよさで定評があります。

HDDは3.5インチSerialATA、光ドライブはDVDスーパーマルチ

デスクトップパソコンに搭載するHDDは3.5インチのものが普通です。2.5インチはノートPC用です。 HDDはSerial ATA接続のものとIDE接続のものとありますが、主流はSerial ATA接続のものです。 現在は500GBの容量のものがお買い得です。パソコン自作ではHDDはバルク品を購入するのが普通です。 とりあえずHGST製のものを選択しておけば無難です。

LANとサウンドは、とりあえずはマザーボードに内蔵されている機能(いわゆる「オンボード」)で十分だと思います。 つまり、拡張カードを増設する必要はありません。

光ディスクドライブは、IDE接続のDVDスーパーマルチドライブ(=DVD±R/±RW/RAMすべての書込に対応)が主流です。Pioneer製ドライブの評判が比較的よいようです。

ブルーレイディスクとHD DVDに関しては、もう少し様子見、といったところでしょうか。

フロッピーディスクドライブは、ドライバのインストールやBIOSのアップデート等で使用する可能性があるので、搭載しておいたほうがよいと思います。とはいえ、安価なもので十分です。 DSP版のWindowsとセットで購入するのがよいと思います(DSP版についてはあとで説明します)。 カードリーダーと一体になったものがありますが、 カードリーダーは外付のもののほうが使い勝手がよいような気がします。

キーボードとマウスは、PS/2接続のものが動作は安定していると思います。 直接触れるものなので、キータッチの感触等こだわりだせばキリがないパーツですが、きちんと動作するかどうかという点でいえば、安いものでも大丈夫です。

接続に必要なケーブル類やネジ類は、マザーボードやドライブ類に付属しており、 それらを利用すれば大丈夫です。 これらは各製品独自のものではなく、規格品ですので、市販されているものを購入して利用することも可能です。

WindowsはDSP版がお買い得

パソコン自作では、Windows OSはDSP版を購入するのが普通です。 DSP版は、機能は製品版と同等でありながら、一般の製品版に比べてかなりの安価で購入することができます。 ただし、内蔵パーツとのバンドルでのみ販売され、そのパーツ共に使用しなければならないというのがライセンス上の条件となります。

バンドルするパーツはFDDがおすすめです。なぜなら、FDDは安価であり、パソコンの性能や機能を向上させるために交換する機会が他のパーツに比べて圧倒的に少ないからです。

OSはWindows XP Home Edition SP2(あるいはProfessional SP2)がよいと思います。 Vistaはまだ早いかも?というのが私個人の意見です。 もしVistaにするなら最上位のUltimate Editionがよいと思います。

具体的な組立手順

以下のページに、Core 2 Duoによるパソコンの組立手順が写真入りで具体的に解説されています。初心者にもわかりやすく、丁寧です。

帰って来た!初めての自作PC作成講座 Core2Duoマシンを組んでみた(TSUKUMOネットショップの特集記事)

なお、TSUKUMOネットショップは九十九電機が運営するインターネット通販のパソコンショップです。よく利用しています。

組立キット・ショップブランド

パソコンを一から自作する以外にも、以下のような選択肢があります。

組立キットとは、パソコンを完成させるのに必要なパーツのセットです。 パーツの組み合わせはショップ側であらかじめ決められており、組み立て作業だけを自分で行います。 パーツ選択に自信がない初心者には特におすすめです。

各パソコンショップで販売されている組立キットの一覧は、以下のページにあります。

組立キット

また、ショップブランドパソコンと呼ばれる、パソコンショップのオリジナルブランドのパソコンがあります。 パーツ構成を用意された選択肢の中から自分で決定することができ、組み立て作業はパソコンショップが行ってくれます。 PCケースやマザーボードは自作パーツとして個々に販売されているものが使用されています。

ショップブランドパソコンについては、以下の姉妹サイトにて。

ショップブランド・コム

フェイスインターネットショップ
BTOパソコン、組立キット、PCパーツ販売。組立キットには完全組み立てサポートサービス(有料オプション)もあります。

DOS/Vパラダイス
BTOパソコン、組立キット、PCパーツ販売。オリジナルブランドのゲームパソコン「Galleria」シリーズは対応ゲームのラインナップが豊富。

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