Shuttle SB51G
「キューブ型パソコンは小型なので、ケース内部が狭くて作業が難しい」という解説をよく見かけます。 これは一般的には正しいです。ケース内部が狭いと、それだけ配線がしづらく、ケーブルの引き回しが難しいからです。 とくに、ケースや電源とマザーボードとの間の配線が難所です。
ですが、「キューブ型パソコンを組み立てたいのだけれど、難しそうだからやめようか」と思っている方にうってつけなのが、 キューブ型ベアボーンキット「Shuttle SB51G」です。
組み立て作業の概略
このベアボーンキットは、 ケース、電源、マザーボードが一体となっています。 そして、それらの間のコード類は既に接続されています。
ですから、ケースとマザーボードとの間のケーブルの接続といった面倒な作業は必要ありません。
必要な作業は、CPUおよびヒートパイプの取り付け、DDR-SDRAMの取り付け、各種ドライブ(HDD、FDD、光ディスクドライブ)の取り付けです。
なお、この組立キットにおいて、CPUを冷却する部品としてヒートパイプを用います。 リテールパッケージに付属するCPUクーラーは使いません。
最後に、OSをインストールしたあとに、付属のCD-ROMから各種デバイスドライバをインストールすれば完了です。
パーツ構成例
Shuttle SB51Gの特長は、 Pentium 4 3.06GHz(Hyper-Threading搭載)に対応していることと、 AGPスロットがついている点です。
しかしながら、Pentium 4 3.06GHzと最新ビデオカードを実際に搭載するとなると、 消費電力量や発熱の問題が気になるところです。
自作初心者には、とりあえずは拡張カードを差さないで組み立てることをお勧めします。
管理人は、以下のパーツ構成で組み立てました。
パーツ | 商品名 | 購入価格(2002/12/18) |
---|---|---|
ベアボーンキット | Shuttle SB51G | 43,800 |
CPU | Intel Pentium 4 2.4BGHz (FSB 533MHz) | 25,800 |
メモリモジュール | PC2700 DDR-SDRAM CL2.5 | 13,980 |
HDD | Maxtor 6E040L0 40GB | 9,580 |
DVD-ROM+CD-R/RW | Melco CRWD-48FB | 14,800 |
OS | Microsoft Windows XP Professional SP1 OEM | 19,000 |
合計 (消費税、送料等を除く) | 126,960 |
今回、ディスプレイ、キーボード、マウス、LANケーブルは、 すでに持っているものを用いることにしました。 また、FDDは搭載しませんでした。
各々のパーツの選び方には、特にこだわりはありません。 例えば、CPUはPentium 4の中で1GHzあたり単価の最も安いものを選び、 HDDは予算の都合上、10,000円未満のパーツを選びました。
DVD-ROM+CR-R/RWドライブを選択したのも、 コストパフォーマンスを考えた結果です。 今話題のマルチDVDドライブを搭載すれば、もっと素敵なパソコンになると思います。
OSをXP Professionalにしたのも、とりあえずはリモートデスクトップを体験したかったからです。 特に目的がなければHome Editionで十分だと思います。
完成しました
組み立て後、早速トラブルが発生しました。電源が入らない(笑)。
ケースを空けてみると、マザーボード上のコネクタが1ヶ所ゆるんでいました。 作業中にケーブルが引っかかったりして抜けてしまったようです。
配線をひととおりチェックして、もう一度電源を入れると、今度はうまくいきました。 その後は調子よく動いています。
一つ気になった点は、前面の端子にヘッドフォンをつなぐと、 HDDアクセスランプに合わせてノイズが聞こえてくることです。 背面のスピーカ用の端子は大丈夫なのですが。 もしかしたら私だけかもしれません。
Windows XP Professionalのリモートデスクトップは面白いです。 リモートデスクトップとは、Professional版をインストールすると、 そのパソコンを他のパソコンから、 まるで自分のパソコンのように遠隔操作ができるようになるという機能です。
ファイルの読み書き、コピーだけでなく、 アプリケーションの起動も可能です。 さらに、遠隔操作しているコンピュータの電源を切断することも可能です。
そういうわけで、管理人は、組み立てたSB51Gを、 LANケーブル以外何も接続していない状態(キーボード、マウス、ディスプレイなし)で、 以前自作した別のパソコンから遠隔操作で利用しています。 無線LANにしたらもっと素敵かもしれません。
Shuttle SB51Gのスペック表
ケース | |
---|---|
形状 | キューブ型、アルミ製 |
5インチベイ | 1個 |
3.5インチベイ | 2個 (シャドーベイ1個) |
搭載電源 | Enhance ENP-2320 (FlexATX、200W、PFC搭載) |
外形寸法 | 185mm(H)×200mm(W)×300mm(D) |
マザーボード | |
型番 | Shuttle FB51 |
形状 | FlexATX |
チップセット | Intel 845GE (North 845GE + South ICH4) |
対応CPU | Intel Pentium 4/Celeron (Northwood/Willamette, FSB 400/533MHz) |
対応メモリ | PC2700 / PC2100 / PC1600 DDR SDRAM |
メモリスロット | 184pin DIMM 2個 (最大2GB) |
拡張スロット | AGP(4X) 1個、PCI 1個 |
IDE | Ultra ATA/100 |
オンボード機能 | VGA (Intel 845GE 内蔵) サウンド (5.1 Channel AC97 Audio) IEEE1394 USB2.0/1.1 LAN (100BASE-TX/10BASE-T) |
BIOS | AWARD BIOS |
インターフェース | |
PS/2ポート(キーボード) | 背面 1個 |
PS/2ポート(マウス) | 背面 1個 |
シリアルポート | 背面 2個 |
USBポート | 前面 2個、背面 2個 |
IEEE1394ポート | 前面 1個、背面 2個 |
VGAポート | 背面 1個 |
S/PDIF-Out | 前面 1個 |
S/PDIF-In | 背面 1個 |
音声用端子 (Front-Out、Rear-Out、Bass/Center-Out) |
背面 1個ずつ |
音声用端子 (ヘッドフォン、マイク) | 前面 1個ずつ |
LANポート | 背面 1個 (100BASE-TX/10BASE-T) |